入部した理由

大学生活も四年目、これまで何度も「なんで少林寺拳法部に入ったの?」という話を人とする機会がありましたが、正直なところ理由を聞かれると困ってしまいます。いわば一目惚れのようなものだったので。
合格発表の日、私の入学した年にはまだ受験番号の掲示があって、無数の運動部やサークルが受かった人をお祝いしようとひしめきあっていました。私も浮かれていろんな団体にお祝いしてもらいました。そのなかのひとつだった少林寺拳法部の人は、せっかくだから受験番号も一緒に写真を撮ろうと言ってくれました。受験番号、貼り出された紙の一番上の列で指さそうとしても届かないので、と私が言うと、わざわざその人は別の人を呼び、肩車の上に乗って私の代わりに受験番号を指さしてくれました。それが、とてもとても嬉しかったのです。
帰り道の千代田線のなか、もらったフルカラーの立派なパンフレットをめくりながら、私の心はもう決まっていました。写真のためにわざわざ肩車までしてくれるなんて!なんていい人たちなんだ!!これはもう入るしかない!!!
とまあこんなわけであまりにもあっさりと入部を決めたのですが、部活人生ラスト数ヵ月に入ったいま、あの直感は間違いではなかったと胸を張って断言できます。
高校まではずっと文化部系、体力テストはずっとE、50メートル10秒を切るのは追い風が強い日くらい。あのとき声をかけられていなかったら、運命的な出会いをしていなかったら、ビビビッときていなかったら、私が運動会などという未知の領域に足を踏み入れることなんて絶対にありませんでした。大変なこともたくさんあったけれど、楽しかったことや嬉しかったこと、達成感、自分の限界を突破した経験、一生付き合っていきたいと思える先輩同期後輩、精神的な成長……、得たもののほうが何倍も何十倍も多いです。それから忘れてはいけない、体力も!
入部の理由は人それぞれ、私のようなタイプは相当珍しいことも自覚済みですが、頭のてっぺんから爪先まで、ビビビッと電流が走り抜けるような瞬間は誰にだってあると私は思います。その直感を、第六感を信じてください。うまく言葉にできないけどなんかいい、なんか興味ある、なんかやってみたい、そういう漠然とした、しかしどこか確固たる意思を持った心の声を大事にしてください。この部にはいろんな人がいます、いろんな行事、いろんな出来事、いろんな出会いがあります。きっとあなたの体にも電流が駆け抜ける瞬間があります。文字や写真や人の話からピクリとなにかが反応することもあるけれど、自分が実際に体験したときの実感にはどんなものも太刀打ちできません。だから、ぜひ、あなたの目で見て、あなたの肌で体験してみてください。そうしてあなたの直観が「ここだ!ここしかない!」と叫んでくれる瞬間がきたら、それを信じてとにかく飛び込んできてください。私は、そんなあなたに会えるのを待っています。

52期 森紫苑

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