部員の声「少林寺拳法と物理学」(56期 鳴坂潮)


新入生の皆さん、こんにちは!東京大学運動会少林寺拳法部4年の鳴坂潮と申します。 この度は、当部のホームページに足を運んでいただきありがとうございます。





今回は、「少林寺拳法と物理学」について話させていただきたいと思います。新入生の皆さんはご存知と思いますが、東大には2年夏学期終了時に前期教養学部から自分の行きたい学部を自由に選択できる制度、通称「進振り」があります。自分は理科一類で入学したのですが、東大の理類の必修科目は力学、熱力学、電磁気学など物理学に関するものが多く、そういった科目を履修している内に、世の中の森羅万象の現象を遍く数学で表現する物理という分野に強く心惹かれていきました。その感情は、進振りの選択の時まで揺らぐ事はなく、結局2年秋学期から理学部の物理学科という学科に進学することになり、現在は安田講堂の裏にある建物で日々勉強しています。





自分の学科は、量子力学や統計力学といった板書での授業(理論物理)と、レーザーや相転移(物性が特定の温度や磁場などで特異的に変化すること)など最先端の物理を用いた実験(実験物理)との2本柱のカリキュラムを用いており、部活との両立をたいへんに思うこともありますが、どちらも楽しみながらやれている上、部活のオフ期間とテスト期間が上手く重なっているため、それほど苦に思うことなく毎学期なんとか乗り切っています笑





さて、本題の少林寺拳法と物理学の関連ですが、物理学とは一言で言うと「巨人の肩の上に立つ」学問です。(西洋のメタファーで、先人たちが築いてきた数多くの知見を基に新たな発見を生み出す、という意味です。) 例えば、我々が現在用いてる電子機器の多くが発している電磁波というものは、1864年に物理学者マクスウェルがその存在を予言しましたが、当初は何に役に立つかわかっていませんでした。しかし今日では、その存在を最大限に利用し間違いなく、現代の生活に欠かせないものの一つになっています。 このように、ゼロから何かを生み出すのは非常に難しいことですが、潤沢な先人たちのバックグラウンドを享受できる現代のわれわれは、それらを活用して行動することができるということです。このことは、少林寺拳法にも当てはまります。 少林寺拳法は、およそ70年前香川県の多度津町というところで開祖宗道臣が創始した武道ですが、彼の技法や信念などは、教範や口伝などを通して現在まで受け継がれています。色々な技が体系化され、一つのビッグデータとして集積しているのです。その情報を、全国の達人の先生や、当部の先輩などを通していま自分たちは享受できています。





本当に奥が深く、巨大なこのビッグデータは恐らく一生かかっても学び尽くせないでしょう。それでも、大学の4年間少林寺拳法に没頭し、先人たちの情報をもとに、自分たちがより上達できるように鍛錬する。この過程は本当に楽しく、いまこうして少林寺拳法を出来ていることがとても幸せに感じるほどです。





皆さんも体験練習に来て、体系化された少林寺拳法の技法を学びに来ていただけると嬉しいです。





最後まで、読んでいただきありがとうございました。新型肺炎の流行などで大変な年だとは思いますが、皆さんが充実した大学生活を送られることを祈念しております。





56期 鳴坂潮