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部員の声「畑、輝く。」(57期 菊地俊弥)

部員の声

大学4年生にもなって、すこぶる青臭い文章を書きます。そういうのが苦手な人は戻るボタンを押して、他の人の部員の声を読んであげてください。僕のものよりずっと読み易くて面白いと思います。

才能って何だと思いますか?

恥ずかしい話、僕は新入生としてこの部の体験練習に参加し出した頃から入部後の数ヶ月くらいは、自分に少林寺拳法の才能があると思っていました。なぜそこまで自信があったのかはもう覚えていませんが、ミットを強く突いたり蹴ったり出来たので、特に乱捕り(実戦)は向いていると考えていました。実際は単に同期の中で体格が良い方だったというだけで、むしろそのせいで体を上手く使いこなすことが出来ず、とても不器用な動きをしていたと思います。自分でそのことに気づいたのは、演武を練習するようになってからです。夏合宿の演武会で同期が自分よりも圧倒的に上達している姿を目の当たりにし、己の実力不足を薄々感じ始めました。演武ペアの足も引っ張っていたでしょう。案の定、初めて出た新人大会では入賞できず、11月の全日本学生大会でも予選落ちしました。しかしその頃でもまだ、自分はやれば出来るはずだと信じていました。ただ、翌年5月の関東学生大会で予選落ちした後は、勘違い野郎の僕でも流石に落ち込みました。その年の夏の七大戦は自分の地元で開催されるものだったので、是非出場したいという気持ちがありましたが、枠の都合上全員が出場することはできず、当然関東の結果から僕らのペアの出場は叶いませんでした。

それでも演武を嫌いにはなれませんでした。少林寺拳法の大会種目には演武の他に運用法(実戦競技)がありますから、演武が向いていないと感じるなら、演武はそこそここなしつつ運用法をメインに活躍を目指すという選択肢もあります。しかし、夏合宿の後から全日期間も関東期間も、不器用な僕を見捨てずに、根気よく演武指導をしてくださった先輩方がいました。僕の欠点に共感して、気にかけて指導してくださる先輩もいました。僕が立てた身の程知らずな目標に、共に向かってくれたペアの同期もいました。そのため、演武を諦めることが出来ませんでした。

さて、夏の大会には七大戦の他に東京都大会というものがあります。大学生以外にも出場者のいる大会で、大学生の部は段位関係なく男女それぞれ一部門なので、弊部では、組演武の部は概ね先輩後輩で組んで出場し、後輩が上達するための期間という扱いです。2年生の僕はその大会で引退前の4年の先輩と組ませて頂きました。それまで器用に演武をしようと自分を制御していた(自覚はありませんでした)僕に、その先輩は「この大会期間はお互い思い切り動こう」というテーマを与えてくれました。そして、僕が自分の殻を破れるよう一緒に汗を流してくれたのです。大会直前には、初めて自分の演武を自分で格好良いと思えるようになりました。先輩方もすごく上手くなったと言ってくださりました。

その年の全日本学生大会は男女組演武で出ることになりました。今度のペアはとても演武が上手く、ダイナミックでしなやかな動きを得意とする女子でした。同期ではありましたが、その期間は僕がペアから学ぶことばかりでした。担当の先輩も貴重な時間を割いて本気で指導してくださり、自分達が色々な期待を背負って、きちんと勝負の舞台に立っているんだという感覚がありました。大会ではあと一点足らず本戦出場できませんでしたが、上達の実感とともに2019年を終えました。

その翌年の2020年はというと、言うまでもなく新型コロナウイルスの影響で色々苦労がありましたが、その話はここでは置いておきましょう。

演武のことばかり書いてきましたが、運用法も壁にぶち当たりながら努力を重ねてきました。初めての公式戦である2年の新人大会では、緊張していつも通りの動きができず予選落ちしてしまいました。同期の中では体格上強い方でしたが、同じ体格同士で当たる対外試合ではあまり良い結果を残せないことばかりでした。上の代には運用法で輝かしい成績を残した先輩方がいらっしゃいますが、僕は彼らほど素質を持っていたわけではないのでしょう。それでも、先輩方や先生方は僕が強くなれるよう惜しみなく指導してくださいました。先日関東学生大会の運用法競技があり、結果こそ残せませんでしたが強くなったという手応えがありました。

話がまとまらなくなってきたので、結論を言います。生まれ持った素質とか、入部までの運動経験とか、少なからず入部後の実力に影響すると思います。でも、それは努力の質と量でどうとでもなります。一般に、努力しても才能を埋めることなど出来ないと言われるのは、努力の量しか考慮しないからです。そして、努力の量も質も環境に大きく左右されます。だから僕は、才能は環境のことだと捉えることにしました。先輩や同期のお陰で、演武を諦めずに済みました。自分の欠点を多少克服できました。運用法で日本トップの実力を持つ先輩方にも囲まれて、強くなりました。

今月末に行われる関東学生大会の演武競技では、優勝してくるつもりです。(この部員の声の公開時には結果が出ているかも知れませんね。)昔ほど身の程知らずな目標ではありません。いや、まだ高望みかもしれません。ただ、ずっと演武に片思いしてきましたが、演武も少しずつ僕のことが気になり出したようです。

結局目に見える成果がないので、この文章もまだあまり説得力がありませんね。自分は無冠の帝王だなんて言えませんし、言いたくありません。引退する頃には根拠ある文章になっていると良いのですが。

最後に、僕がこのように考えられるようになったのは、後輩のお陰でもあります。僕たち先輩が教え方を工夫すれば、彼らは見違えるように上達します。無論、それはいわゆる才能、素質が後輩たちの中にあるからでしょう。それでも、僕という環境が後輩たちにとっての才能の一部になればと思います。

最後まで読んでくださり、誠にありがとうございました。

57期 菊地俊弥

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